Fig.6 Cladobotryum longiramosum
Cladobotryum longiramosum Castaneda , Fungi Cubense (La Habana): 4 1986.
Cladobotryum longiramosum Castaneda , Fungi Cubense (La Habana): 4 1986.
MEA上25℃のコロニーは生育が早く,綿毛状,表面は橙褐色(brownish orange, Munsell 10YR7/4-6, Methuen 5C4-6);菌糸は培地表面から高さ10 mmに達し,緩く織り交ざり,その中に褐色(brown, Munsell 10YR4/6,
Methuen 6E8)の浸出液を生じる;周縁は厚く緩やかな鋸歯状,カビ臭を発す;裏面は黄褐色(yellowish brown, Munsell 10YR6/6,
Methuen 5D6).OA上のコロニーはMEAと同様.PDA上のコロニーはMEAと同様であるが,菌糸はやや密生,気菌糸層に分生子を多数形成する. 供試材料:キカイガラタケ属菌(Gloeophyllum sp.)子実体上, 神奈川県厚木市飯山観音,1999年8月13日,常盤俊之採集(標本,KPM-NC0009251;菌株,KS 99083 = JCM 10756 = TAMA 27). 本菌は不朽したキカイガラタケ属菌(Gloeophyllum sp.)の子実体上に認められ,寄主子実体の管口部全面を緩い綿毛状菌糸で覆い,その表面に分生子を多数形成していた.未熟な菌糸から発生した分生子柄は良く発達し,菌糸との区別は明瞭(macronematous)で,複雑な分枝を繰り返し,その先端から分生子形成細胞を形成する.この形成細胞から分生子を単生する.しかし,気菌糸が成熟すると,分生子柄は菌糸との区別が不明瞭となり,分生子を単一の形成細胞より多産する.本菌は菌糸の成熟度により分生子形成細胞の特徴が異なるが,発生した分生子の形態的特徴は同一である.なお,寄主上の子実体形成菌糸層にもテレオモルフの形成は認められなかった.本種は現在までにキューバから報告されただけである.
参考文献 (References) Tokiwa T, Okuda T (2004) Japanese species of Hypomyces and their anamorphs II. Nippon Kingakukai Kaiho 45: 31-38 (in Japanese) |